よく、細胞についての話をしていると、DNA、遺伝子、染色体など同じような意味の言葉が頻繁に出てきます。
それぞれ違った意味を持つのですが、ここで分かりやすく説明しておきましょう。
通常、DNA=遺伝子と思われがちですが、厳密言うとそうではなく、DNAは遺伝子情報を蓄え、伝達できる物質ですが、遺伝子そのものではありません。
DNAの分子内では4種類の塩基(えんき)があり、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)という略号で表されます。
DNAが持っている情報というのは、これらの塩基がDNAの鎖の中でどのような順序で並んでいるかを指します。
遺伝子はDNA分子の中で、タンパク質を作るための情報(塩基配列)を持っている部分を指します。
つまり、DNAの中の一部が遺伝子として働いているのであって、両者はイコールではないのです。遺伝子はあくまで、タンパク質の設計図なのです。
次に染色体ですが、これもDNAとイコールではありません。
染色体の主な構成成分は確かにDNAなのですが、それ意外にタンパク質が含まれています。
DNAはヒストンという球状のタンパク質に巻き付いており、ヌクレオソームと呼ばれています。
DNAはたくさんのヒストンを巻いたヌクレオソームがつながり、ネックレスのようになります。
そのネックレスがさらに巻いて大きなコイルを作り、最終的には大きな棒状のコイルになり、それを染色体と呼ぶのです。
染色体というのはその名の通り、「着色したもの」という意味で、細胞を染色すると、染色体が色素を取り込んで、強く着色するようになることから命名されました。
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